■いじめ認知の減少・文科省の分析は・・・ 

2021年10月13日、文部科学省は、2020(令和2)年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を発表した。小・中・高校と特別支援学校でのいじめ認知件数は51万7163件で、前年度に比べて15.6%減った。2014(平成26)年度以降、認知件数の増加が続いていたが、2020(令和2)年度は大幅な減少となった。

文科省資料より

いじめ重大事態の件数も514件で、こちらも前年度723件に比べて3割ほど(28.9%)減少した。

文科省資料より


これらの減少傾向について文科省は、主な理由として以下を挙げている。

▼新型コロナの影響で生活環境が変化し、児童生徒の間の物理的な距離が広がったこと
▼日常の授業におけるグループ活動や学校行事、部活動など様々な活動が制限され、子供たちが直接対面してやり取りする機会やきっかけが減少したこと
▼年度当初に地域一斉休業があり、夏季休業の短縮等が行われたものの、例年より年間授業日数が少ない学校もあったこと
▼新型コロナウイルス感染症拡大の影響による偏見や差別が起きないよう、学校において正しい知識や理解を促したこと
▼これまで以上に児童生徒に目を配り指導・支援したこと。
 
前回(第9回・2021年10月1日)書いた通り、2013年の「いじめ防止対策推進法」の制定後、いじめの積極的な認知がそれなりに進み、わずかながらもいじめの発生自体は減る傾向にあるが、昨年度で言えば、新型コロナの影響で子どもたちの物理的な接触機会が減ったことが大きいのだろう。しかし、物理的な接触が減るのは教育的意義からしても推進すべきこととは言えない。様々な活動の制限は子どもたちが得られるはずだった学びの機会や経験が減少したとも言え、この方向で行けば減る…と、前向きに捉えることはできない。