石川県金沢市の‟しいのき迎賓館”で1月27日、「きらめく!アート展 ~いしかわ障害者アート展~」が開幕しました。
会場には約270点もの力作が並び、来場者がその独創的な世界観に魅了されています。

■ 過去最多!約270点の「きらめき」が集結

県文化振興課の越村日咲さんによると、2回目となる‟きらめく!アート展”の一般公募作品数は前回の96作品から大幅に増え、179点にのぼるとのことです。

県文化振興課・越村日咲さん
「少しずつ、この取り組みが認知され、新たな表現の場として受け入れられていることを実感しています。」

また、注目の一つが、金沢美術工芸大学の学生とのコラボレーションです。学生たちは作家の自宅を訪ね、対話を重ねる中で展示作品を選定し、その想いをキャプション(説明文)に込めたといいます。

■ 学生の視点が引き出す、COTORI NIZAMIの「リズム」と「呼吸」

今回の展示で、ひときわスタイリッシュな空間を演出しているのが、COTORI NIZAMIさんの作品です。

作品の最大の特徴は、‟曲線の美しさ”です。 普段は自宅のベッドで、イヤホンで音楽を聴きながらタブレット端末を用いて描かれています。 紙では難しい線の伸びや色の重なりを、デジタル環境が支えています。一瞬の動きを切り取ったような軽やかさと、躍動感あふれる構図は、その時々の感覚を即座に画面に残すプロセスから生まれています。

代表作『I'm here, COTORI NIZAMI.』
会場には、金沢ADC2025 準グランプリを受賞した作品が展示されています。


モノトーンを基調としたシンプルな色彩ながら、デフォルメされたキャラクターが放つ存在感は圧倒的。画面に描かれたイヤホンや楽器のモチーフは、音と共に作品を生み出すCOTORIさんの制作背景を象徴しています。

キュレーションを務めた藤本ありさん
「広がる曲線を目で追い、キャラクターの動きを想像しながら、それぞれのリズムを重ねてご覧いただきたい。」

県文化振興課・越村日咲さん
「作家一人一人の魅力が、学生たちの視点を通じてより鮮明に伝わる展示になっています。」

■ デザイナー・橋本謙次郎さんが語る「デザインの可能性」

会場のトータルデザインを担当したのは、デザイナーの橋本謙次郎さんです。橋本さんは約10年前から障害のある方々のアート活動に関わってきました。

デザイナー・橋本謙次郎さん
「最初はデザインに何ができるのか自問自答もありましたが、自分が関わった企画で、作家の皆さんが喜んでくれたり、笑顔になったりする姿を数多く見てきました。デザインの力には、まだ多くの可能性があると感じています。」

今回の展示でも、3年前にデビューした‟百万石フォント”(障害のある人と地元デザイナーが作った石川県オリジナル文字&絵柄)の紹介や、色鮮やかな傘を用いた空間演出など、来場者がワクワクするような仕掛けが随所に施されています。

■ 「つながり」を感じる、体験型アート展

会場では、アートを通じた社会との‟つながり”も重要なテーマとなっています。

・アートレンタル:障害のあるアーティストの作品をレンタルし、収益の一部を作家に還元する仕組みを紹介。


・地域・企業との連携:‟百万石フォント”を活用した企業とのコラボ商品など、アートが生活にとけこむ形を提案。


・参加型イベント:ワークショップやスタンプラリーも開催され、親子で楽しめる。

橋本さんは「とにかく見どころがいっぱい。ぜひ百万石フォントの魅力に触れ、作家たちのエネルギーを肌で感じてほしい」と語り、越村さんも「作品自体の素晴らしさを、ぜひ多くの方に楽しんでいただければ」と来場を呼びかけています。

きらめく!アート展は金沢市の‟しいのき迎賓館”で2月4日まで開催しています。