利上げしても円安の“悪循環”
植田総裁は長期金利の上昇を「かなり速いスピード」と警戒していたが、渡辺さんも、長期金利上昇の“悪循環”が生まれる可能性を危惧している。

<長期金利上昇の悪循環>
インフレ上昇⇒日銀は利上げ⇒国が支払う借金の利息、利払い費が増加⇒利払い費をまかなうためさらに借金が増える⇒財政への信認が低下しさらに通貨安が進む⇒インフレ上昇…

渡辺さん:
「政府債務が増加すると、健全な政府であれば少し税収を増やすとか歳出カットなどの努力を始める。ただ、規律のない政府だと政府債務の増加が放置されてしまう。そして国債が売られ、あるいは通貨も同時に売られる。通貨が売られるとインフレがさらに加速するので、また日銀は利上げをしなければいけない。まさにスパイラルで、インフレ、利上げが次々と来てしまう。その元凶はどこにあるかというと、規律がないところ」
――つまり新興国型になってしまうということか。一番怖いのは、通貨安を止めようと利上げをしても下落が止まらないという循環だ

渡辺さん:
「例えば80年代のブラジルは、これにかなり似たことが起きたと言われている。まさに新興国で起きる典型的な現象の一つだが、残念ながらもしかするとそれが日本でも起きている、あるいは先々起きる可能性があるのではと思う。多くの人は『利上げをすれば円安が止まるだろう』と思っているが、逆に悪循環のロジックでは、『利上げしてしまうと政府債務が増えるので、さらに通貨が下落する』、そのルートがあるということを意味している」
その上で、渡辺さんは選挙後に誕生する新政権への日銀の向き合い方に注目する。
渡辺さん:
「新政権も規律がないとなった場合に、日銀が今までと同じペースで金利を上げていいのかという問題がある。日銀が自分の政策をやりやすくするためには、新政権に対して『もっとしっかり規律を持ってくれ』というメッセージを出して欲しいし、出すのではと思っている」
(BS-TBS『Bizスクエア』 2026年1月24日放送より)














