財源なき減税は「家計へのツケ」に?

慶応義塾大学教授・教育経済学者 中室牧子さん:
私が気になったのは、「消費税の減税」を掲げている政党があまりにも多いことです。
現下の物価高について負担に思う家計が多く、消費税の減税をしてほしいという声があることはよく理解できます。
その一方で、財源をどうするのかというのは極めて重要な問題ではないかと思います。

消費税の増税分は、社会保障に使われていて、幼児教育の無償化は、実は消費税の増税分から出されています。

もし財源がないということになると、消費税を下げた分だけ、幼児教育の無償化に充てられているものは家計が負担することになるのか、ということについて、きちんと整理をしておかなければいけません。

例えば自民党の高市総裁は「国債は新規には発行しない」と言っていて、何かと何かを付け替えることでバランスを取ろうとしています。

何かを減らすのであれば、当然何かを増やさなければいけない。そのトレードオフが一体どこで発生するのかということを、明確にしてもらう必要があるのではないかと思います。

出水麻衣キャスター:
いま基金の部分を削るなどのいろいろな案が出てきていますが、実現性はどのくらいあるのでしょうか。

教育経済学者 中室牧子さん:
高市さんが「租税特別措置」が見直しの対象になるのではと言っていて、私は政府の委員会で、このことに関する議論にも関わっています。

租税特別措置の法人税に関わる部分では、一番大きいのは「賃上げ税制」と言われるものです。それから「研究開発投資」も大きくて、2つを合わせると約1.7兆円になります。

ただ食料品の消費税の減税をすると、5兆円ぐらいの財源が必要になるため、全然足りません。そこをどうするのか説明してもらう必要があると思います。

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<プロフィール>
後藤俊広
TBS報道局 解説委員 元政治部長
小泉内閣時から国会を取材

中室牧子さん
慶應義塾大学教授 教育経済学者
教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」