■東北は、これまで「大雨の発生確率」が低かった
東北大学の伊藤純至准教授は、天気予報で用いられるコンピューターシミュレーションの精度を向上させる必要があるといいます。ただ、東北地方は西日本などに比べると過去の大雨の事例が少ないため、検証が遅れているのが現状です。
東北大学 伊藤純至准教授:
「その精度を向上させるにあたって、なるべくたくさんの(大雨の)事例を試して(精度が)よくなることを確かめる必要がある。東北地方は検証できる(大雨の)事例数が少ない。大雨自体が発生確率が少ない現象なので、それをターゲットにした(シミュレーションの)開発が難しい」

正確な予報のためには、観測網の充実も必要です。しかし、県内のアメダスは24か所で、七ヶ浜町など設置されていない市や町もあり、観測網が十分だとはいえません。

東北大学は、より詳細な観測データを得ようとおよそ2年前、七ヶ浜町役場に気象観測器を設置しました。こうして得た観測データを基にスーパーコンピューターが大量の計算を高速でこなし予報を出力します。
その精度の向上に向け、東北大学が気象庁の気象研究所とともに取り組んでいるのが「領域再解析」と呼ばれる研究です。














