遺体の体温が「非常に高かった」

(広島大学医学部 長尾正崇教授)
「最初の時に気になったのが、警察が検死をした時に遺体の体温が非常に高かったと。33度とか34度とか普通じゃ考えられないような温度だった」

通常、検死をする段階では体温は20度台以下ですが、長尾医師が解剖した4人の遺体はいずれもまだ30度台だったのです。
(広島大学医学部 長尾正崇教授)
「死亡時の体温が非常に高かった。平熱を超えてそれこそ40度を超えるような」
4人の死亡時の体温は42度から44度前後と推定。長尾医師の研究チームは遺伝子の状態を調べました。
この数字は遺伝情報の変化を示すもの。それをグラフ化すると、もっとも強く出た反応は免疫系統の異常だったのです。

(解析した広島大学大学院 中尾直己さん)
「特に炎症関係の反応が強く出ていることがわかった。免疫の応答を調節することがうまくできなかったことを示唆している」
長尾医師の仮説は、ワクチンによって免疫に異常が起きて体内に炎症が広がり、体温が40度以上に上がったというもの。そのことが死因とは結論付けられませんが、ワクチンと免疫の関係はさらに研究が必要だと長尾医師は考えています。
(広島大学医学部 長尾正崇教授)
「免疫反応に関係する遺伝子が非常に高進していた。データから、あるいは状況からだけでは黒とは言えないが白でもない。やはりグレーとしか言いようがないが、十分ワクチン投与が免疫異常に関与していた可能性はあると考えている」

厚生労働省の担当者と初対面
2022年11月。東京の衆議院議員会館前に集まっていたのは、ワクチン接種後に死亡した人の遺族会。夫を亡くした須田さんも参加していました。
厚生労働省の担当者と初めて直接対面し、ワクチンと死亡との因果関係を調べるよう求めました。

(接種後に夫が死亡した須田睦子さん)
「あなた方が安全だとおっしゃっていたワクチンを打って夫は亡くなったんです。亡くなってから1年が経ちましたがいまだに因果関係不明とされています。言い訳というか、亡くなった人と正面から向き合ってないですよね」
また、夫を亡くした大阪府の女性は
「ワクチンとの因果関係がないからと言われて納得できると思いますか。身内がそれだったらどうします?」
これに対し厚労省の担当職員は
「この施策に変更を要するような懸念があるのか、毎回毎回確認をさせていただいております。その中で直ちに修正するというところまでのご指摘はいただいていない」

会には、コロナワクチンの効果に疑問を唱える医師も参加。
(京都大学 福島雅典名誉教授)
「重要なことは、死者の全例調査、それからワクチンによる健康被害が考えられる人もきちんと全例調査しないとダメです」
(名古屋大学 小島勢二名誉教授)
「臨床医からしたら、病理医が診断したものをそうではないと言うことはできないんです」

死亡例や重い副反応の全てを追跡調査することを求めたほか、因果関係の認定方法について疑問を投げかけましたが・・・
(厚労省の担当職員)
「必要な情報をしっかり集めさせていただいて、必要な評価をする。ただガンマ(評価不能)となった場合でもそれで症例の評価が終わりということではなく、そういった情報もしっかりと大事にしていきながら、全体として注意喚起をしないといけないことなのか真剣に考えている」
そして遺族側からワクチン接種をこのまま続けるのか、質問が出ると。
(厚労省の担当職員)
「オミクロンのタイプの5回目接種についても現行では変更の必要はないという評価なので、私どもといたしましては、引き続き5回目接種の方を続けさせていただく」
接種はあくまでこのままという回答が。

(接種後に夫が死亡した須田睦子さん)
「実際に人が亡くなっているんですよ。この前も10人救済を認めましたよね。それなのに5回目を続けるというから、命を軽く見ているんじゃないかと言ったんです」
(接種後に妻が死亡した男性)
「今回のワクチンについてはあなたはどう思っているの?」
(厚労省の担当職員)
「すみません。こういう場に出ていますので、あまり個人的な意見は言えず、申し訳ございません」
遺族と厚生労働省の初の意見交換会は、平行線のまま終了。今後のワクチン行政はどうなるのか、最後に厚労省の担当者に聞きました。
(厚労省の担当職員)
「ご指摘もあったが、我々としてはこれまでの施策を丁寧にやっていく」
「お話も伺いましたし、情報を正しく出して欲しいというのは、我々も今やっている。そこは報告会の意見を踏まえ、順次対応する」

副反応や死亡例の原因究明が進まない中、今もワクチン接種は続いています。