アメリカ挑戦がもたらした転機

小櫃選手


今回のドラフトで里の上位指名が注目を集めた一方、初の海外挑戦に踏み出す期待の若手2人の言葉には、等身大の覚悟が詰まっていた。24年に尚美学園大学(埼玉)からライオンズ・レディースに入団した小櫃と米谷。指名を受けた小櫃は「びっくりした。(トライアウトでは)できることはやったし、悔いはないけど、自分の実力がアメリカで通用しているのかがわからなかったから、嬉しかった」と振り返る。

ニューヨークから指名を受けた米谷も「そんな高い順位で呼ばれると思っていなかった」と驚きを隠せず。トライアウトでは「やり切った」実感はあったものの、強い手応えは感じていなかっただけに「ほっとした」というのが正直な思いだった。

共に高校時代には侍ジャパン女子代表(U-18マドンナジャパン)に選出、第2回BFA女子野球アジアカップでは日本の連覇に貢献した。アジアを制した経験を持つ2人でも、トライアウトでは海外から集まる選手の“パワー”や“プレースタイル”に圧倒されたという。「日本人にはないものをアメリカ人は持っているし、アメリカ人にはないものを日本人は持っている」と小櫃は語る。

その差を肌で感じた上で挑むアメリカの舞台。女子野球界にとってこの挑戦は大きな一歩となる。「その瞬間に立ち会えて嬉しい。 約70年ぶりにってなった時に、そこに自分の名前があるのは野球人生の中でもいい経験だし、誇れることなのかなと思う」と米谷。続けて「自分らが活躍しないと次はない。結構な気持ちで、覚悟を持っていこうかなと思っている」と前を見据えた。