今年8月に阪和自動車道で軽乗用車が逆走し、ワンボックスカーと衝突して5人が重軽傷を負った事故をめぐり、逆走車を運転し危険運転致傷の疑いで逮捕されていた男性(59)について、和歌山地検は「不起訴」としました。  

 地検は理由について、「被疑者の過失を認定することは困難と判断した」としています。

 大阪府和泉市の男性(59)は8月10日、阪和自動車道下り線(和歌山方面)で軽乗用車を運転中に、和歌山JCT付近で車をUターンさせ、大阪方面へ逆走を開始。

 約2kmにわたって逆走した末、ワンボックスカーに衝突し、自車に同乗していた自らの母親(80代)と、ワンボックスカーに乗っていた4人(子ども2人含む)の計5人にケガをさせたとして、危険運転致傷の容疑で和歌山県警が逮捕していました。

罪名を「過失運転致傷」に変更した上で不起訴

 県警によると、男性とその母親は事故当日、自宅を出て大阪府千早赤阪村に釣りに向かおうとしていましたが、和歌山JCT近くで道を誤っていることに気づき、逆走に及んだとみられています。  

 取り調べに対し男性は、「私にはこの事故の記憶は一切ありません。逆走した記憶もありません」と述べ、容疑を否認していました。  

 この男性について、和歌山地検は12月26日付けで、罪名を「過失運転致傷」に切り替えたうえで、嫌疑不十分で不起訴としました。理由について「諸般の事情を考慮し、被疑者の過失を認定することは困難と判断した」としています。