高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」をめぐり、代表の男が国外逃亡していた事件で、国際手配されていた元代表の男について警視庁が逮捕する方針を固めたことがわかりました。

警視庁が詐欺の疑いで逮捕するのは、「トケマッチ」の運営会社「ネオリバース」の元代表・福原敬済容疑者(44)です。

福原容疑者は、おととし8月から12月までの間、高級腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」で時計のオーナーから預かった「ロレックス」などの高級腕時計十数本、時価総額1500万円以上を大阪府内の事務所に配送させ、だまし取った疑いがもたれています。

トケマッチは高級腕時計を借りたい利用者が月額の使用料を支払うと、オーナーから預かった高級腕時計が借りられ、オーナーには毎月、預託料が支払われる仕組みでした。

警視庁は、福原容疑者が預かった高級腕時計を無断で古物商などに売却するなどして多額の現金を手に入れていれたとみて捜査していました。

福原容疑者は去年1月31日に運営会社を突然解散した後、UAE=アラブ首長国連邦に向けて出国したとみられ、その後、警視庁が逮捕状を取得し、国際手配をして行方を追っていました。

福原容疑者は外務省から旅券返納命令が出ていて、外務省関係者によりますと、旅券を返納しなかったため失効していたということです。

当時、33都道府県であわせて173件の被害届が受理されていました。

福原容疑者は現地当局に拘束され、UAEから帰国したところを警視庁が間もなく逮捕する方針です。

トケマッチに時計を預けた男性は逮捕前、悲痛な胸の内を明かしました。

時計を預けた男性
「6000万ぐらいとられて6000万って、もう人が自死するお金ぐらいだと思ってるんですよ。人殺しと変わらないですし。捕まってほしいとは強く思ってますね」

「トケマッチ」をめぐる一連の被害は全国で確認されていて、警視庁は福原容疑者に余罪があるとみて詳しく調べます。