「苦しい」と言えない恐怖。見逃してはいけないサイン
加齢に伴い、噛む力や飲み込む力が衰えることで、長年親しんできた好物が凶器となってしまうのです。「ウッ」というくぐもった声とともに、苦しそうに喉元を親指と人差指で掴む仕草。
これは「チョークサイン」と呼ばれる、世界共通の窒息の危険信号です。
「大丈夫?」と声をかけても返事がない、声が出せない。もし目の前で家族がこのサインを出したら、迷っている時間はありません。

「背中が痛い」と思われるほど強く叩く
餅を喉に詰まらせたとき、まず、声が出せるかどうか確認し、声が出せない場合は、喉に詰まった餅の除去が必要です。咳をすることが可能であれば、できるかぎり咳をさせます。
このとき、強い咳や声が出せない場合は、直ちに119番通報を誰かに頼み、救急隊が到着するまでの間、その場で異物の除去を試みる必要があります。
有効な応急手当として推奨されているのが「背部叩打法(はいぶこうだほう)」です。
左右の肩甲骨の中間あたりを、手のひらの付け根で力強く、何度も叩きます。ためらわずに強く叩くことが重要です。

それでも解消しない場合は相手の後ろから抱えるようにして腹部を突き上げる「腹部突き上げ法(ハイムリック法)」へ移行します(※この方法は、乳児や妊婦、高度肥満の方に行ってはいけません)。
もし窒息への対応が途中で分からなくなったら、119番通報の指令員が指導してくれますので、落ち着いて指示に従ってください。
しかし、何より大切なのは「事故を起こさせない」ための予防です。政府広報オンラインでは、事故を防ぐための4つのポイントを挙げています。














