「私は戦後の日本の教育界で最も子供たちを殺した人間です。子供たちの人生そのものの中に足を踏み込んだ」

水谷さんは、自身についてこう語った。
水谷修さん(夜回り先生)
「私は戦後の日本の教育界で最も子供たちを殺した人間です。それは人として教員としてしてはいけないことをしてしまった。子供たちの人生そのものの中に足を踏み込んだ。これは親であってもやってはいけない。いかなる理由があってもやらざるを得なかったなんてのは言い訳にすぎない。その結果せっかく信じてくれたのに自分の能力が足らず死へと多くの子供たちを追いやってしまいました」
その償いは、残りの人生1日も長く生き抜いて1日も長く夜の街に戻り、1人でも多く夜の街の子供たちを昼の世界に戻すことしかない。
水谷さんは癌で7回の手術を受けており、そう長くはないという。
水谷修さん(夜回り先生)
「私と出会うっていうのは滅多にないことです。私は夜から昼には滅多に出ません。講演でなければ。私は昼の世界で生きる資格のない人間ですから。そんな世界には皆さんは絶対に来ないでください」
水谷修さん(夜回り先生)の講演は全6回連載です。
①右手の親指をトンカチで潰され、背中を刺され…夜回り先生・水谷修さんが35年戦い続ける「夜の世界」と失われた406の命【冬休み・薬物に手を出さないで】
②「私は大変な失敗をしてあいつを殺しました」夜回り先生・水谷修さんが悔やむ生徒の死 最後の言葉は「先生、きょう冷てえぞ」【冬休み・薬物に手を出さないで】
③「あいつがどんどん軽くなって…冷たくなって…」シンナーで死んだ教え子と「水谷先生、あんたが殺したんだよ」夜回り先生を変えた専門医の言葉【冬休み・薬物に手を出さないで】
④覚醒剤、売春、HIV感染…転落のきっかけは「あんな中学も落ちるなんてあんた一体誰の子?」母親の一言 夜回り先生・水谷修さんが夜の街で出会った中学3年の少女【冬休み・薬物に手を出さないで】
⑤「顔は骸骨、体は枯れ枝」薬物乱用で麻酔も効かず…夜回り先生・水谷修さんが語った少女の死 「講演で必ず話して」託された思い【冬休み・薬物に手を出さないで】
⑥「かぜ薬30~40錠飲めばヘロイン1回分」夜回り先生・水谷修さんが警鐘を鳴らす市販薬の乱用 「愛の力では救えません」【冬休み・薬物に手を出さないで】














