警察の業務を委託している業者から酒や土産物の提供を無償で受けたなどとして、兵庫県警の村井紀之前本部長のほか、県警幹部ら数人が処分されました。

 兵庫県警によりますと、県西部にある警察署の男性署長(60代)は、2023年ごろから神戸市内の飲食店で、無償で酒類の提供を受けていたほか、店の経営者と会食する際に、タクシー代2万円など、約4万8000円相当を受け取ったということです。

 また関係者によりますと、同じ店では兵庫県警の村井紀之前本部長(58)など県警幹部ら数人が参加した会食が行われ、酒の提供を受けるなどしていたということです。

 この店の経営者は県警本部の食堂を運営する会社を経営していたことなどから、警察庁は業務受注の見返りだった可能性も視野に調査しましたが、落札の経緯に不自然な点は見つからなかったということです。また、提供を受けた額は1人あたりに数百円から数千円で、違法な接待にはあたらないと判断したということです。ただ、経営者が県警の利害関係者であることなどから、警察庁は村井氏を「長官注意」の処分としました。

 一方、署長については提供を受けた金額などが多く、県警への信頼を失墜させたなどとして、兵庫県警は「警務部長訓戒」の処分としました。また幹部数人についても処分したということです。

 村井氏は2023年3月から2年間、兵庫県警本部長を務めました。自殺した元兵庫県議の竹内英明さん(当時50)の名誉を毀損した罪で起訴されたNHK党の立花孝志被告が、SNS上で「(竹内元県議は)兵庫県警から任意の事情聴取を受けていた」などと発信したことについて、「全くの事実無根で、明白な虚偽がSNS上で拡散されていることは極めて遺憾である」などと異例のコメントを出しました。

 その後、中国四国管区警察局長に異動したあと、警察庁は9月8日付で辞職する人事を発表しましたが、直後に撤回。警察庁の官房付(異動待機)となっていました。

 村井氏は24日付で辞職しました。