15日は大分を元気づけてくれた大分トリニータのこの1年の戦いを振り返ります。スタジオには下平隆宏監督にお越しいただいています。来シーズンへ向けた展望なども合わせてじっくりお話を伺います。

最初に大分トリニータの今期前半戦から振り返ります。

■前半10位 J1復帰には厳しい折り返し

(前半戦 VTR)「2022年、下平新監督の元、1年でのJ1復帰を掲げたトリニータ。去年からほとんどの選手が残留し、J2トップクラスといえる戦力を維持した状態でシーズンに臨みました。しかし、ワールドカップに合わせてシーズンが早く終わることに加えて、トリニータはルヴァンカップにも出場するため、開幕以降11連戦、9連戦、7連戦と厳しい日程に。下平新監督の戦術が十分に浸透しないまま、多くの試合を余儀なくされました。リーグ戦は前半を終えて7勝7分7敗で10位。目標としていた自動昇格圏内との勝ち点差は11と苦しい折り返しとなりました」

■苦しかった前半戦

(井口キャスター)「前半戦はやはり試合にっていうの難しさというのがあったんでしょうか?」

(下平監督 )「日程がかなりタイトでしたし、あのルヴァンカップもあって本当に休むまもなくゲームがやってきました。私も就任して1年目でしたし、戦術の浸透や選手のコンディションの見極めがなかなかうまく進まなかったというのが正直な感想です。選手はすごく一生懸命トライしてくれましたし、戦術のところもすごく理解してくれましたが、なかなか結果に結びつかず、勢いが出ませんでした」

(渡辺キャスター)「後半に向けて立て直したポイントはどういったところですか」

(下平監督)「最初にスケジュール的に少し余裕ができたのが一つあって、戦術の取り組みをよりやりやすくなったというのもありますし、今年のメンバーは人数が多かったので、一体感を出してやっていこうということを常に選手たちにも話をして、とにかく最優先されることはチームが勝つことっていう話をよくして、後半戦は特にまとまっていった印象ですね」

■1年でのJ1復帰 果たせず

(後半戦 VTR)「後半戦が始まると10試合負けなしと結果も徐々に表れてチームは上向きに。7月末の東京ヴェルディ戦ではコロナ禍になって初めて声出し応援が解禁され、サポーターの声援がさらに選手を後押ししました。すると新潟や仙台と上位チームから勝ち点を奪いながら徐々にプレーオフ圏内に食い込み、リーグ戦残り3試合で迎えた2位・横浜FCとの一戦は梅崎や野村などチームを鼓舞し続けたベテランや、キャプテン・下田のゴールで3―2で勝利し、プレーオフ進出を決めました。しかし、プレーオフではシーズン4位の熊本に勝ち切れず終了。1年でのJ1復帰とはなりませんでした」

■巻き返した後半戦のポイントは「一体感」

(井口キャスター)「後半戦はわずか3敗ということなんですが、一番良かったポイントはどの辺りになるんでしょうか?」

(下平監督)「やっぱり選手たちが、一体感を持ってやってくれたこともそうですし、あとは若手の選手がすごく伸びてきて、全体に刺激を与えてベテランの梅崎とか野村あたりもすごく頑張ってくれました。そういった選手の必死さがチームの中に競争を生み、その中で一体感を持って戦えたっていうことがよかったと思います」