自分の身を守るルール
最後に前渕准教授は、昨今の食の安全に対する風潮に、微生物学の視点から警鐘を鳴らします。

前渕准教授「最近は『天然・自然由来だから安全』で、『人工・合成物は危険』というイメージを持つ方が多いですが、これは必ずしも正しくありません。自然界の微生物が作り出す毒(カビ毒など)の中には、人間が作り出した人工物よりもはるかに毒性が強いものが存在します」
例えば、ナッツや穀類に生えやすいカビ毒の一種「アフラトキシン」は、天然物でありながら最強クラスの発がん性物質として知られています 。
前渕准教授「『天然のものだから安心』と過信して、カビたものを無理して食べるのは非常に危険です。自然の生命力、そして毒性を甘く見てはいけません」
「もったいない」の精神は大切ですが、それは「カビさせないように管理する」ことに発揮すべきもの。一度カビてしまったら、自分の体を守るために「捨てる勇気」を持つことこそが、食の安全の正解なのです。
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