弁護側「刑法177条3項は違憲で無効」「真摯な交際関係で処罰対象外」無罪を主張

福岡地裁 小倉支部

裁判の争点は不同意性交罪を定めた刑法177条3項の合憲性と適用範囲であった。

弁護側は3つの点から鈴木被告の無罪を主張した。
①成人が5歳以上年下の16歳未満の未成年者に対し性交等をすることを5年以上の有期拘禁刑による処罰の対象とする刑法177条3項(本件規定)は、人が性交等をする自由を過度に広汎に制限している上、法定刑が重すぎるから、憲法13条、21条、31条に反し無効である
②本件規定が合憲であるとするためには、13歳以上16歳未満の者を相手とする性交等のうち、相手の心身の未成熟に乗じた不当な手段を用いたもの又は相手を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないようなものに限り処罰の対象とする必要があり、鈴木被告とAさんとの性交はそのいずれにも該当しない
③行為の違法性ないし期待可能性(適法行為をすることができたはずだと期待できること)がない