16日午前0時に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の呼びかけ期間が終了しました。
この1週間、対象地域では、どのような対応が取られたのでしょうか。

気象庁 原田智史地震火山技術・調査課長
「気象庁は本日2時に、北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表いたしました。最悪のケースということになるけど、3.11のような地震が起きるということを想定する」
最大震度6強を観測した青森県東方沖地震。
気象庁は「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を3年前の運用開始以降、初めて発表しました。

道内は、太平洋側を中心に63市町村が対象で、1週間程度は、巨大地震の発生確率がふだんより高まるとして「特別な備え」を呼びかけました。
山本隼哉リポーター
「新冠町では後発地震注意情報が発表されてすぐ、自主避難所を開設しました」

スーパーあいちょう 相澤長昇社長
「どう対応するかは、突き詰めないといけないなと」
初めての「後発地震注意情報」の発表で、この1週間、対象地域はどのような対応を取ったのか、「もうひとホリ」します。
震度5弱を観測し、50センチの津波が押し寄せた日高の浦河町。
「後発地震注意情報」の対象地域ですが…。

浦河町民
「初めて聞いた」
「もともと地震が多いところだから、そんなに注意はしていない」

今月、地震発生前に関西大学の林能成教授が調査した、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」に対する道内の認知度です。
全体の約7割(69%)が「知らない」、もしくは「具体的にどのような情報かはわからない」と回答。
運用が始まった3年前(77.2%)から8%ほどしか向上していない結果に。
認知度の低さが課題となっていました。
「後発地震注意情報」の発表を受け、日高の新冠町では、町内5か所の施設を自主避難所として開設。
防災無線やSNSなどで町民に周知し、24時間いつでも避難できるようにしました。

新冠町民
「『そこに行けばいい』という町民の安心感はあるかなと。非常にいいかなと」
気象庁は、すぐに逃げられる態勢を維持し、日ごろからの備えを再確認したうえで社会経済活動を継続するよう呼びかけていますが、飲食店ではキャンセルなどの影響も出ました。

レストラン店主
「みんな心配だから、この1週間は動きたくない。60人ぐらい宴会を全部キャンセル。しかたがないのですが、命が大事だから。気持ちもわかるし、覚悟しないとだめかなと」
震度5強を観測した函館のホテルでも…。

ホテルグローバルビュー函館 小川有史 総支配人
「(キャンセルは)めちゃくちゃあります。後発地震注意情報でかなり問い合わせがある。問い合わせなしのキャンセルもかなり出ている」
地震の翌日からキャンセルが入り、この1週間で3割程度、キャンセルが発生しました。

スーパーあいちょう 相澤長昇 社長
「青森県東方沖地震が起きてから、非常食や備蓄品・水・缶詰や乾パン、カップラーメンなどがよく売れている」
釧路市内のスーパーです。
今回の地震と後発地震注意情報をうけ、備蓄品を買い求める客が増えたと話します。

店は津波浸水想定区域にあり、独自に地震や津波に対するマニュアルを作成し、客への対応や避難する場所などを決めています。
地震発生後は、改めてマニュアルを確認して、営業を続けています。
スーパーあいちょう 相澤長昇 社長
「(従業員は)みんなで逃げる、もしくは自宅に帰る人とかも。気持ちがバラバラだったりするので、繰り返して伝えていくことが大切。例えば避難の動線はどうするかとか、崩れている場所などが大地震が来たら生まれると思う。マグニチュード8とか9クラスの巨大地震が起きたときに、犠牲は最小限に抑えられるように、経営者としては臨みたい」
堀啓知キャスター)地域のスーパーも独自のマニュアルを作っているということですが…
この一週間は日頃の備えを見直すきっかけになったのかなと思います。
小橋亜樹さん)私は「後発地震注意報って知ってた?」など、周りの方たちと防災に関してよく話すようになりました。それで、そういえば(防災)グッズ…といって、また改めて見直したときに、友人が「手回しのラジオ懐中電灯があるから大丈夫」と言っていたけれど、壊れていましたもんね。こういうことがないと、人間だから忘れてしまったりすることもありますよね。
堀啓知キャスター)電池ではなくそもそも機械自体が壊れている。
そんなこともありますから、だいぶ前に買ったものなどは点検しないと。
今使えるかどうかというのは本当に大事になっていきます。
そして、この後発地震注意情報の期間中には、各地のイベントにも影響が出ました。

森田絹子キャスター)こちらをご覧ください。
根室の納沙布岬灯台では、13日・土曜日に6年ぶりの一般公開が予定されていましたが、根室海上保安部が地震や津波に備えるため中止となりました。
現在、開催中の「はこだてクリマスファンタジー」は津波注意報以上の発表があった場合にイベントを中止するルールを設けたうえで開催しました。
25日の最終日まで継続するということです。
広尾町で14日・日曜日に「毛ガニまつり」が開催され約8,000人が来場。
会場自体が海抜の高い場所にあるため、場内アナウンスで注意喚起して開催しました。
堀啓知キャスター)後発地震注意情報が出ていないときでも日頃から備えと日常生活を両立させる意識は必要ですね。
猪口純路さん)ちょっとずつ意識が高まっているんじゃないかな、という感じはするんですよね。心配なのは、年末、人がたくさん集まることもあるでしょうし、皆さん里帰りなどもされると思います。普段はどこに何があってというのがわかると思うのですが、お出かけ先で何かあったときに自分の安全が確保できるかとか、家族でどこに逃げるのかとか、そういう確認もしていくことが大事かなと思います。
堀啓知キャスター)実際、北海道に遊びに来た人など…観光地で地震にあうと、そもそもどっちが高台なのかどうなのかも土地勘がないのでわからないし、外国人の方も地震が起きた時に、心配でロビーのほうに降りてきてしまうと。
日本人であれば、津波が来るなら高いところに逃げないとと理解していますが、(外国人の方は)確認しに下に降りてしまう。
これを英語などの多様な言語で教えていかなくてはならないなど、観光地ならではの色んな備えが必要です。
自分たちも違うところに行った際、ここは防災上大丈夫な場所なのかどうなのか…楽しい旅のはずなんだけれども、ちょっとそういうのを頭の片隅に置いておくのは大事かなと思います。
堀啓知キャスター)「特別な備え」の呼びかけ期間は終了しましたが、巨大地震の可能性がなくなったわけではありません。
日頃から地震への備えを徹底するようにしましょう。














