旧統一教会 田中会長の辞任表明に元職員「意味がわからない」

2026年1月、判決が言い渡される山上被告の裁判。一方で、旧統一教会の解散命令についても、年度内に東京高裁の判断が示される可能性がある。

その旧統一教会に今週、大きな動きが。

旧統一教会 田中富広 会長
「辞任を決意いたしました。改めてお詫びさせていただきます。申し訳ありませんでした」

田中富広会長が辞任を表明した。田中氏と共に活動したこともある教団の元職員は…

旧統一教会 元職員
「今のタイミングで辞任は意味がわからない、ふさわしくない。信者から見ても『なんで』って思うでしょうし、解散命令ももう少しで出る可能性もあるし、そこまで粘ってもよかったはずじゃないですか」

辞任の理由について田中氏は、高裁での解散命令の審理に区切りがついたことなどを挙げた。

会見では、新会長に堀正一氏(55)が就任することも明らかにされた。堀氏は、信者である両親のもとに生まれた2世信者だ。

2024年、韓国で行われた教団のイベント。韓鶴子総裁に花を捧げる幹部らの中に、田中氏と堀氏の姿があった。

新会長の堀氏は、教団の神アジア太平洋大陸会長を務めていた人物だ。

旧統一教会 田中富広 会長
「(堀氏は)私のコントロール下じゃなく、世界本部のコントロール下にある人材。日本に呼び戻す、取り戻すと言いましょうか」
「(会長の)交代に世界本部が主導して動き始めたわけではなく、むしろ逆です」

田中氏は自発的に辞任し、会長の交代は世界本部が主導したわけではないと強調したが、教団の元職員は…

旧統一教会 元職員
「自分の意志や責任は神から与えられるもの。『人事は天事』と言われている。あくまでも神がその位置・責任を与えたと捉えるので、辞任は『放り出す』『神を否定する』みたいな感じにもなる」

――田中会長自らの辞任ではないのではないかと?

旧統一教会 元職員

「最終決定するのは韓国本部なり、総裁が決めること。(会長から)外さなきゃいけなかったことがあったのかなと思ってしまう」

その韓国では、韓鶴子総裁が、前大統領の妻や側近に不正に金品を提供したなどとして逮捕・起訴された。さらに、李在明大統領は、旧統一教会を念頭に、政治介入した宗教団体への解散命令などの法的対応も検討している。

――韓国の本部の状況と、田中会長の辞任は関係性がある?

旧統一教会 元職員

「関係性は当然あると思う。今、お金がなくなっている、(日本からの)献金が減っているので。総裁の裁判にも非常にお金がかかる。とにかく不安だらけ、いいことは何もない」

辞任会見で田中前会長は、山上被告の裁判についても言及した。

旧統一教会 田中富広 会長
「今回の山上徹也くんの起こした事件について、背景に家庭連合(旧統一教会)が存在していたことは事実なので、しっかり向き合っていかなければいけない」