「母親のふりをした、統一教会の信者」山上被告の妹が語る宗教2世の過酷な現実
母親の信仰によって振り回されてきた家族。その後、山上被告の妹が証言席に座った。語られたのは、宗教2世が置かれた過酷な現実だった。

山上被告の妹(40代)
「母は教祖の写真を飾って、祭壇を置いて壺を置きました。毎晩毎晩お祈りしていました。食事に行こうと言われてついていったら、統一教会のイベントで裏切られた気分でした。母は統一教会と上の兄のことで頭がいっぱいで、私には無関心でした。私に40度の熱が出ても、統一教会の活動に行っていました」
母親は韓国の教団本部にも足を運んでいた。2002年、母親が自己破産すると、生活は困窮していく。
山上被告の兄にあたる長男は母親に反発し、暴力を振るうようになったと話す。

山上被告の妹(40代)
「上の兄は大学進学の件でもめるようになり、『お前の献金のせいで進路を決められないんだ』と母親を叱責したり、包丁を振り回したりしていました。母が悲鳴をあげ、兄を止めるのが辛かったし、毎日家に帰ったら、母親が殺されていたらどうしようと不安で、家が燃えていたらどうしようと緊張感で辛かったです」
山上被告の妹は母親から度々、金を無心されるようになった。
山上被告の妹(40代)
「他の信者に金を返さないといけない。家賃を滞納していて、金をくれと。必死の形相で道路で私にしがみついて、私は母親を20〜30メートル引きずりました。恥ずかしくて、みじめでした。母親が私に連絡してくるのは、金を無心するときだけでした。母親のふりをした、統一教会の信者だと思いました。母親のふりをしているから、私は突き放せない」

MBS 清水貴太 記者
「ここの発言の際は、非常に涙声で説明をしているところが印象的だった。それを見ている山上被告も表情は変わらないが、妹の話にはすごく真剣に耳を傾けているなと。妹を大切にしなければという思いは、そういった行動一つからも感じられた」














