茨城県の介護施設で、点滴に注射器で空気を注入し、入所者2人を殺害したなどとして、殺人と窃盗の罪に問われた元職員の女の裁判。きょうの裁判で、施設の看護師が事件当時の女の様子について、「焦っている様子もなく落ち着いていた」と証言しました。
古河市の介護施設で職員として勤務していた赤間恵美被告(39)は2020年、入所していた鈴木喜作さん(当時84)と吉田節次さん(当時76)の点滴に注射器で空気を注入し、殺害したなどの罪に問われています。
これまでの裁判で、赤間被告は殺人の罪については「私は空気を注入していません。殺害していません」と述べ、無罪を主張。
検察側は「犯行時間帯に赤間被告が鈴木さんの部屋に入るところを職員が目撃している」「赤間被告以外に現実的に犯行が可能な人物はいない」と主張しています。
きょうの裁判で、介護施設の看護師が証人として出廷し、鈴木さんの容態が急変した際の状況について、「(赤間被告が)『点滴を見てくる』と言って鈴木さんの部屋に入り、その後、『鈴木さんの顔が青白い』と戻ってきた」と説明しました。
看護師は容態が急変した後に赤間被告と、鈴木さんの処置にあたったということですが、この時の赤間被告の様子について、「焦っている様子もなく落ち着いていた」と明かしました。
一方で、裁判員から「赤間被告が鈴木さんの部屋に入ってから他の人の出入りがあったのか」と問われると、「はっきりわかりません」と証言しました。
また、きょうの裁判には鈴木さんの治療を担当した医師も出廷し、容態が急変する前の鈴木さんの様子について、「糖尿病や高血圧など問題なく、命に全くかかわらない状態だった」と明かし、容態の急変については「内科医として40年活動するなかで、こんなことはなかった」と話しました。
公判は60回にわたって開かれ、審理期間は裁判員裁判として過去2番目の長さになる見通しで、判決は来年7月に言い渡される予定です。
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