事件発生から15時間 広島県内のSAで警察がバスに突入し...

少年と警察との間で膠着状態が続くなか、RSK山陽放送の当時の記者も、バスの状況を取材していました。そして、バスが乗っ取られて15時間経った午前5時前、状況が動きました。

(RSK記者 中継)【画像⑥】
「バスの中に突入しました、バスの中に警官隊が突入しました。バスの中から煙が出てきました。捜査員がバスの陰から近づくように入りまして、その後2,3度大きな光がありました。その後、捜査員が一斉に車内に入りました」

広島県内のサービスエリアで、警察の特殊部隊(SAT)が突入し、少年の身柄が取り押さえられました。

【画像⑥】

そして山口さんは一命をとりとめた

救出された山口さんは、広島県内の病院で緊急手術を受け、一命を取り留めました。

あまりの辛さに、「あの時、死んどけばよかった」とさえ思ってしまったそうです。ともにバスに乗った知人の塚本さんは亡くなったといい、自分だけが生き残ったことへの申し訳なさにも苛まれたと言います。

しかし山口さんは、少年に切り付けられたときに感じた「少年の心はこんなにしなければいけないぐらい傷ついてたのか…」、その答えを出すために『少年のこれからを見届ける』という選択をします。

【第3話】背景にあったのは少年の“いじめと孤立”「誰にも話を聞いてもらえんかった。辛かったと思う」
に続く

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【第1話】「あいつは裏切った、連帯責任です」そして少年(17)は女性を刺した

【第4話】事件から5年後 面会した少年から語られた「言葉」とは