今年8月、山口県岩国市の山陽道で、軽乗用車に乗っていた福岡県の女子大生2人(当時20歳、21歳)がトラックに追突され死亡した事故。トラックを運転して
いた熊本県の男(65)の初公判が11日、山口地裁で開かれました。
起訴状などによりますと、男は8月21日午後4時10分ごろ、岩国市周東町の山陽道で、注意義務を怠り安全確認が不十分なままトラックを運転。道路補修工事のため渋滞で停止していた軽乗用車に気づかず、時速約85キロのスピードで追突し、女子大生2人を死亡させた、過失運転致死の罪に問われています。
山口地裁で開かれた初公判で、男は「間違いありませんと」起訴内容を認めました。冒頭陳述で検察は、事故当時男は熊本県から岡山県に荷物を運ぶ途中で、事故現場はこれまで何度も通ったことのある道だったことや、前日にも同じ道を通っていて、渋滞があることを把握していたと明らかにしました。
亡くなった女子大生2人はアルバイト先の友人どうしで、その日は福岡県から下関市内の水族館に行き、岩国市の飲食店や錦帯橋に向かおうとしていて事故に遭ったとみられます。
検察は、男がトラック運転手という職業だったにもかかわらず、少なくとも10秒間は前方を見ていなかったと指摘。しかしその理由は「漫然としていたため覚えていない」と言います。被害者に落ち度は全くなく、渋滞で停止していたことから逃れられない事故だった、厳しい刑罰を与える必要があるとして、拘禁刑2年6か月を求刑。弁護側は、男が今後車を運転しないと誓っていることや、勤務していた会社を退職するなど、社会的制裁を受けているとして、寛大な判決を求めました。
裁判の最後、証言台に立った男は「不注意というトラックドライバーとして、してはいけない事故をした。結果がどうであれ真摯に受け止め、一生かけて償っていきたい」と述べました。判決は今月24日に言い渡されます。














