2005年5月、満員のビッグスワンで行われた川崎フロンターレ戦。
後半に同点ゴールを決めた際も、彼は喜ぶ素振りを見せず、すぐにボールをセンターサークルへ運んだ。

「あれが逆転ゴールだったら喜んでいるけど、その時嬉しさはなかった。次にもう1点早く取りたいというのが強かった」

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「出られなくてもチームが勝利できるよう貢献したい」
かつてそう語った泥臭い献身性こそが、船越優蔵の真骨頂。指導者となった今も、その実直さは変わらない。

「選手やスタッフと向き合うという意味では、正直であること、嘘をつかないこと、本気で伝えることを常に意識しています」と語るその言葉には、飾らない人間性が滲み出ている。