将棋の福間香奈女流六冠が記者会見し、日本将棋連盟が定めた妊娠・出産に関するタイトル戦規定の変更を訴えました。
会見したのは、一児の母でもある将棋の福間香奈女流六冠(33)です。
日本将棋連盟は、タイトル戦に臨む女流棋士が妊娠した場合、対局の日程が出産予定日から数えて産前6週から産後8週までの期間と1日でも重なれば、日程変更の対応はせず、タイトル戦に出られないなどとする規定を定めています。
福間女流六冠は8つの内6つのタイトルを保持していて、「日程変更の対応」などを訴えました。
(福間香奈女流六冠)「妊娠をしてしまったら、タイトルか出産かを選択しなければならず、将棋界の未来に強い不安があります」
10日、会見を受けて日本将棋連盟は次のようにコメントしています。
【日本将棋連盟のコメント】
日頃より将棋界に温かいご支援とご理解を賜り、誠にありがとうございます。このたび福間女流六冠より、タイトル戦における対局者の妊娠に関する規定につきまして問題提起をいただきました。まず、日頃より応援してくださるファンの皆様にご心配をおかけしていること、そして福間女流六冠に不安を抱かせてしまったことに対し、心よりお詫び申し上げます。
妊娠・産休とタイトル戦の関わりについて、当連盟では、従来より、タイトル戦ごとに定められていた番勝負対局規定(以下「番勝負規定」)に基づき、母体の安全と健康の確保、当事者の意思の尊重、そして棋戦全体の公平性を原則として、一定の基準の下で個別事案毎に慎重に対応してまいりました。これらの課題を共に満たすことが、競技の健全性を保つ上で重要と認識しております。
また、実際に、福間女流六冠の妊娠を受け、前期の複数のタイトル戦においても、番勝負規定に定められた対局日の変更条項に基づき対局日の日程を調整し、なおかつ、要望を受けて、椅子対局への変更等の対局環境の調整をしたという経緯がございます。
そして、令和7年4月1日、従来の規定を踏まえ、女流棋士公式戦番勝負対局規定(以下「本対局規定」という。)が施行されています。
本対局規定は、母子の安全と健康の保護の観点、当事者間の意思の尊重、そして棋戦全体の公平性を原則として、明確化の観点から、労働基準法等を参考に、妊娠している場合において、出産予定日を基準とした産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)から産後8週間までの期間と番勝負の日程が重複する場合に対局者の変更を行うとしつつ、対局日の変更条項を定め、従来の規定同様、対局日の変更等により、上記原則を維持しながらも、個別事案毎に柔軟かつ慎重に対応するという規定になっております。また、実際にそのような事案が発生した場合には、従来と同様に可能な限りの調整を行う方針です。
もっとも、調整が不能である場合の対象女流棋士の待遇については様々な議論があるため、現在、当事者である女流棋士の意見を踏まえつつ、妊娠期の女流棋士の権利と健康を適切に守る制度設計に向けて改定案を調整中であり、新たな規定では、専門家の見解等を参考に、従来の規定の調整条項を見直したうえで、より柔軟に当事者の意思に沿った対応が行える仕組みを検討しているところです。
また、令和7年10月より、調整が不能である場合の対象女流棋士の待遇について、女流棋士会に意見を求め、ご検討をいただいているところです。棋戦の継続と母体の安全との両立を重視し、女流棋士がより不安なく対局に臨めるような環境づくりを目指しております。
当連盟は、この機会を、女流棋士の権利保護を一層強化する契機ととらえ、丁寧に取り組んでまいります。引き続き、女流棋士、そして応援してくださる皆様の声に真摯に耳を傾けながら、安心して対局に参加できる環境づくりに尽力してまいりますので、何とぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
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