13歳の少女が住宅街から消えた日
スクリーンには、広島時代の横田家の家族写真が映し出された。
父・滋さんがカメラ趣味で撮影したもので、父は写っていない。
日常の家族旅行や記念写真。どの家庭にもあるような、当たり前の風景だ。
横田拓也さん
「こうした当たり前の日常が一瞬にして奪われたということをある連動性を皆さんの我が事としてこの写真を見てほしいと思っています」
拉致される1年前ごろのめぐみさん。
バレエダンスを習っていて、つま先立ちをして父に必死におませな姿を見せている。
家族愛に満ちた一枚だ。
新潟市の地図が示された。
海に近い、普通の住宅街だった。
横田拓也さん
「よくテレビでやってるような、ポツンと森の中に一軒家みたいな誰もいないそういった場所ではなくて本当に普通の住宅街、人通りがある、車が通っている。そうしたところでやすやすと工作員が入ってきて私たちと同じ同胞の日本人、特に子供が拉致されたわけです」
中学校から自宅までの通学路は、大人の足で約6分から7分。
自宅から海まではわずか3分から4分。
めぐみさんが拉致されたのは、おそらく自宅から約1分の距離のどこか。
玄関から1分先。
それは、警察犬がにおいを見失った場所だった。
横田拓也さん
「皆さんの、玄関から1分先をイメージしていただければいいと思うんですがそういった当たり前の生活圏の中で拉致されて、今48年以上苦しい時間が過ぎてるというわけです」














