きっかけはイチローさんのタイムリー

Q.村上選手が小学生の頃、09年のWBC(第2回)決勝のイチローさんのセンター前のタイムリーを見て野球により打ち込んだそうです。来年3月にWBCが迫っていますが、選手たちのプレーが子どもたちにどのような影響を与えてほしいですか。

イチロー:16年前になるんだね、もう。それが今度はメジャーリーグに挑戦するっていう、いいね。そのストーリーは理想的ではあるんですけど。子どもたちはやっぱり影響を受けます。トップのレベルの野球、どんな選手なのか、どんなプレーをするのか。あとはどんな態度でプレーするのか。これは高校生にも伝えることがあるんですけど、選手たちの姿を子どもたちが見てる。影響を受けやすいんですよね。好きな選手がこういう態度でプレーしているっていうのが、もう素直に入ってくる。良くも悪くも。だからそれは日本代表としてプレーしてる選手たちには、意識してほしい。ただ感情を表すんじゃなくて、これを見て影響される人たち、子どもたちがたくさんいるっていうことは知っておいてほしいといつも思ってます。

Q.イチローさんは、今後大好きな野球とどういう向き合い方をしていきますか?

イベントで子どもたちと交流するイチローさん

イチロー:どうしましょうね。僕は体が動くうちは、今やってることを。例えば、九州国際大付には、牟禮 翔(むれ しょう、2年)っていうとんでもないバッターがいます。チーム全体として「いやもうイチローいらないだろ」って。「いや俺たちの方が上手いだろう」って、チームのほとんどがそうなったら、僕はそこ行って見せる理由がないから。そこまで僕が落ちてしまうか、もしくは彼らが上がってくるか。彼らに上がって欲しいですけど、僕はなるべくキープしたいし、なんだったら上がりたいって思ってる。そこは大事にしてるところですね。
今回みたいに競技の違うトップの選手と交流して、こういうことも面白いなって。新しいことなんで、今までやってることをもちろん継続しつつ、外に出て、身体を動かして太陽を浴びてっていうのは、人間にとって、すごく大事なことなんだっていうことを伝えていけたらいいですね。これからも。