「疑わしきは罰せず」をつらぬいた1審判決

去年12月の判決で和歌山地裁(福島恵子裁判長)は、まず須藤被告と覚醒剤の関連について、須藤さんが覚醒剤を「注文」したことは認定し、“野﨑さんから購入を頼まれた”とする須藤被告の供述は信用できないとしました。
一方で、公判での密売人2人の証言も含めて検討し、「密売人から受け取った物が氷砂糖だった可能性を否定できず、本物の覚醒剤を入手したとまでは認められない」と判断しました。 また、一連の検索履歴についても「野﨑さん殺害を計画していなければ検索することがありえないようなものとはいえない」と指摘。
野﨑さんが死亡した日に、須藤被告が何度も1階と2階を往復した点も、「他の日には見られない行動だが、2階に被告の私物が置いてあったことも事実で、野﨑さんの死亡とは無関係な理由で行き来していた可能性も否定できない」などと指摘。
「須藤被告が覚醒剤を摂取させて殺害したのではないかと疑わせる事情はあるが、殺害したと推認するには足りない」と結論づけました。
「覚醒剤やってるで、へへへ」の電話「冗談と決めつけられない」
そのうえで、野﨑さんと覚醒剤との関わりについて「覚醒剤を常用していたとは考えられないが、人脈も広く、経済的な余裕も十分あったため、他者に依頼して覚醒剤を入手することは可能だった」と指摘。
さらに、野﨑さんと長年交際関係にあった女性の、“死亡の約3週間前までに野﨑さんが「覚醒剤やってるで、へへへ」と電話してきた”という証言について、「覚醒剤摂取で死亡していることからすれば、野﨑さんの発言を一概に冗談と決めつけることはできない」と判断。
「野﨑さんが自殺以外の目的で覚醒剤を使用し、その際に誤って致死量を摂取した可能性は否定できない」としました。
そして結論として、須藤被告に無罪を言い渡しました。














