“10億年”の幅があった「原核生物」から「真核生物」への進化の道のり

ブリストル大学 Davide Pisani教授:
「初期の原核生物がいつ、どのように複雑な真核生物へと変化したかについては、長らく推測の域を出ませんでした」

イメージ:40億年前の地球

中間的な形態の生物が見つからず、決定的な化石証拠も乏しいため、その推定期間には10億年もの幅があったそうですが、今回の研究チームはこの謎に挑むため、新しいアプローチを取り入れました。

――バース大学 Tom Williams教授:
「まず、数百種の生物の遺伝子配列データを収集し、既に知られている化石の証拠と組み合わせて、時間軸を持つ『生命の系統樹』を作りました」

「次に、この枠組みを用いて、個々の遺伝子ファミリーにおける歴史的イベントのタイミングをより正確に解明しました」

100を超える遺伝子ファミリーの証拠を、様々な生物から集めて分析。特に、真核生物と原核生物を分ける特徴に注目することで、複雑な生命がたどった進化の道のりを少しずつ解き明かしました。

その結果は、驚くべきものでした。なんと、この進化のプロセスが始まったのは約29億年前。これは、従来の推定よりも約10億年も早い時期です。