選挙の最大の争点 立候補者の考えは?

前の市長が失職したことに伴う伊東市長選が12月7日に告示され、過去最多9人の立候補者による7日間の選挙戦が始まりました。今回の選挙の最大の争点はなにか、立候補者の考えを聞きました。

伊東市長選に立候補したのは以下の9人です。(届け出順)

(1)新人・伊東観光協会理事の利岡正基候補
(2)新人・スポーツトレーナーの石島明美候補
(3)元市長・小野達也候補
(4)新人・NPO法人代表の岩渕完二候補
(5)新人・薬局チェーン顧問の黒坪則之候補
(6)新人・特定行政書士の杉本憲也候補
(7)前市長・田久保真紀候補
(8)新人・元会社員の大野恭弘候補
(9)新人・漫画家の鈴木奈々子候補

学歴詐称疑惑に端を発し、前市長が失職したことに伴って行われる今回の選挙。伊東市の市長選では過去最多の9人が名乗りをあげました。

<新人 利岡正基候補>
「伊東の10年後20年後をお約束できる、しっかりとやっていただける方、私が託せる方っていうのはなかなかいなかった。私が立って、何とかこの市政で力を発揮できないかなという決意をいたしまして、観光で稼ぐ、いろいろ言いましたけど何をもっても、とにかく私が強いの観光です。観光でこのまち良くして、それでいろんな方がいろんなサービスを受けられたら本当幸せだと思います。豊かな伊東にしたい」

利岡候補は「観光で稼ぐ」を合言葉に、これまで培ってきた観光の知識を生かして伊東の立て直しを進めると話しました。また、人口減少が進む中でも子どもから高齢者まで住んで良かったと思えるまちづくりをすると訴えています。

<新人 石島明美候補>
「4年前、2021年に伊東市長選にチャレンジしました。その時は9021票という大変たくさんの票をいただきながらも当選することができず、今回再びまた立ち上がりました。私はしっかりと若者がこの街に戻ってきて、結婚して、子どもたちを産み育てていく、安心して暮らせる、そういう社会を作っていきます。伊東のまちには、伊東の人々には誇りがあるはずなんです。それを私はしっかりと取り戻していきます」

石島候補は、「清潔で正直な政治」を合言葉に、政治不信の払拭を最重要課題にあげて伊東の誇りを取り戻す改革が必要だと強調します。また、若い世代が伊東に戻って家庭を築ける環境の整備など、誰一人取り残さない伊東をつくると話します。

<元職 小野達也候補>
「副市長、教育長がいないという異常事態。これを今年中に選任をし、できるだけ早い段階で補正予算を組み立てて、市内事業者を支えながら、皆さんの暮らしを、そして、この混沌とした伊東市を正常化させてまいります。この4年に情熱を傾けます」

小野候補は、8年間の市長経験と人脈を最大限に生かしたリーダーシップで混乱した市政の早急な立て直しを強調します。また、「経済再生」や「観光復活」、「輝く伊東市の未来」の3つを柱に掲げ、まずは物価高騰対策に取り組んでいくと訴えています。

<新人 岩渕完二候補>
「市長選挙っていうのは、具体的に俺は何をやるんだ、私は何がやるんだという具体的なことを言わなければ駄目だと思っています私は。私が市長になったならば、1階の方に市長室を移動して、そこに私がいるんです。そこで全てのことを受け入れるんです。市長たるものが市民の声を聞かなくてどうするんだということ。それがまず第一歩です」

「伊東復活!」をスローガンに掲げた岩渕候補は、市政の透明化を徹底する姿勢をアピールしています。そのうえで市民の声を直接聞く仕組みづくりや、企業経営者として培った経験を生かした市政運営を掲げ、楽しい伊東市をつくると訴えています。

<新人 黒坪則之候補>
「普通の街の倍以上の速度で少子化が進んでいる。このままだと、誰がどう見ても伊東は5年後10年後ないねと、崖っぷちだねということに気づきですね、このまま放ってはおけない。市民の所得を上げましょうと、市民の安全を守りましょうというふうな目線で話をする候補が誰もいない。オール伊東で打破していかないと、この伊東を危機状況から救えない」

黒坪候補は、医療人材の不足や少子高齢化の影響で伊東市はいま、崖っぷちの状況にあると話します。その上で、市民生活の全快を掲げて、所得向上や教育改革など市民目線の政策にいち早く取り組み、医療過疎からの脱却を訴えています。

<新人 杉本憲也候補>
「今までの現状維持でいいんですか、私は嫌です。私は43歳という最年少での候補者です。若いですが、若いからこそ柔軟な発想で、そして20年後を見据えて、将来こうなったらいいな、だからこうしよう。そういった発想ができます」

杉本候補は、市議としての経験や、行政書士としての法律知識を生かし、実現可能な政策を打ち出すとアピールします。また、経済対策として給食費無償化の継続や学生の通学費支援など子育て世代の負担軽減に取り組んでいくと訴えています。

<前職 田久保真紀候補>
「伊東市には課題が山積してます。それを取り組んでいかなければいけない。本当にやるべきことが山積している。選ぶのは皆さんです。選ぶのは伊東市民です。それが民意です。どうかもう一度、私を市政の場に送り出していただきたい。全身全霊をかけて最後の最後まで戦い抜きます」

田久保候補は、戦略的なまちづくりをスローガンに掲げ、新たな産業の創出や老朽化したインフラの再整備に取り組むと強調します。また環境政策にも力を入れていくとし、市内にある湖の環境保全やメガソーラー問題を解決すると訴えています。

<新人 大野恭弘候補>
「私が真っ先にやらなければいけないと思っているのは、1、図書館の建設、2、食の商品化、3、自習室の整備であります。まず図書館の建設についてですが、これは商店街の人通りを増やす。このことによって、商店街の活性化の呼び水にしたいと思っています」

兵庫県在住の大野候補は、新たな図書館の建設が商店街の人通りを増やし、市街地の活性化につながるとみています。また、B級グルメや駅弁など食のブランド化を最優先に進めて、国内外から観光客を呼び込む政策に取り組んでいくと訴えています。

<新人 鈴木奈々子候補>
「メガソーラー、現在、停止してるということですけれども、完全にもう建てさせないという気持ちでおります。観光を復興させていきたい。観光も外資でなく国内でまわしていく、市民の雇用を促進し、市民全体の年収を上げていくことによって、バラマキ政策などではなく、伊東市は市民のものだということを強く訴えていきたいと思います」

埼玉県在住の鈴木候補は、外国人の生活保護支給停止や保険料未払いに対する取り立て強化など外国人政策の必要性を強調しています。

また、外部に依存しない地域内循環型の観光経済で市民所得の底上げを実現していくと訴えています。