記録的な不漁が続くサケ。青森県にある奥入瀬川鮭鱒増殖漁業協同組合では、漁獲量が7年前の1%にも達していません。このため、おいらせ町は親となる魚を確保するための支援事業を検討しています。

サケの腹から採りだされるオレンジ色の卵。奥入瀬川鮭鱒増殖漁業協同組合で行われている採卵作業です。本来であれば最盛期を迎える時期ですが、組合は記録的な不漁に悩まされていました。4日はわずか10匹ほどしかなく、親となる魚の不足が深刻となっています。

今から27年前、1998年当時の映像を見ると、専用の設備で大量のサケをつかまえていて、シーズンが到来すると漁協は活気に溢れていました。7年前の2018年シーズンでもサケは9万匹近くいました。

ただ、今シーズンは現時点でその1%以下、450匹ほどです。川での漁獲はゼロとなる日もありました。

※奥入瀬川鮭鱒増殖漁業協同組合 戸来敏幸組合長
「10年前と比べたらまったく少ない。多い時で1日1万匹獲れたこともある。いまこんなに下がるとは夢にも思っていない。大変苦しい」

このため、組合がいま力を入れたいのが、海でサケをとっている百石漁協から親になる魚を譲ってもらうことです。親魚は青森県さけます振興協会が買い取っていて、その価格はこれまでと同様、1キロあたり1000円でしたが、市場価格はいま高騰していて3500円以上になっています。このままでは漁師たちは組合ではなく市場へ出荷を選ぶことが多くなるため、組合はその差額分を支援するよう、おいらせ町に要望しています。

※奥入瀬川鮭鱒増殖漁業協同組合 戸来敏幸組合長
「いまは(サケが)獲れないから油代にもならない。少しでも市場に出したい。百石漁協の気持ちもわかる。でも放流しないとサケは帰ってこない。漁師もこれからのことを考えて、少しでもふ化してもらいたいという思いで町に支援してほしいと話した」

おいらせ町は親魚200匹分を確保するための費用、約109万円の補正予算案を来週、議会へ提案する方針です。