「ヘルメットも買おうか」声をかけなかった

大地さんの通学用の自転車は、高校に進学するタイミングで購入しました。その時大地さんは、ヘルメットを試着していたと言います。

▼渡邉明弘さん
「ヘルメットを試着してた大地を見て『ヘルメットもいるんだったら買おうか』と声を掛けなかったんです。もし買っていて助かったら、今どんな人生だっただろうなっていうことを思ったりします」

渡邉さんが声をかけるのをためらった理由の一つが、ヘルメットの価格でした。

当時販売されていたのは、スポーツタイプのもので、値段は1万円以上。8万円ほどの自転車と合わせると、約10万円の出費になります。

▼渡邉明弘さん
「正直、きついなって思ったんですよ。だけどもしお子さん、お孫さんとかヘルメットをかぶってない状態だったら、一緒に自転車屋さんに行って試着して、そしてそれがヘルメットが例えば2万3万にしたとしても、もしものことがあった時に2万3万も安いです」

大地さんが事故にあった2014年、愛媛では交通事故で命を落とした高校生が、もう一人いました。

それを機に、愛媛の高校では自転車通学時のヘルメット着用が校則で義務化されましたが、渡邉さんはあまり良い印象を受けていませんでした。