生活の“支援”を始めた企業も

新潟県によりますと、2024年9月までの1年間に県外に転出した人の数は、転入した人より4500人余り多い3万2507人で、県内の人口は減少しています。
転出した年齢別で最も多いのは20歳から24歳。
若い人材が県外に流出しているのが明らかです。

採用における売り手市場が続く中、新潟市中央区に本社を構えるIT企業『オーエムネットワーク』は、人材確保に向け新たな取り組みを始めています。

【オーエムネットワーク コーポレート部(人事担当) 藤原教義さん】
「20代の若手社員向けに、3万円の新人通勤手当というのをやっています」

6月に始めた『若手生活立ち上げ支援』制度です。
入社2年目までの新卒採用者と20代の中途採用者に一律3万円の通勤手当を支給し、最低給与を27万円にするもので、余裕ができた分は新たな学びや挑戦などへの自己投資として後押ししようという狙いです。

さらに入社3年目以上を対象に、奨学金の返済を会社が代わりに支払う制度も新設。
戦力になった社員が離職や転職を考える“きっかけ”を極力減らします。

また、雪国に人材を呼び込む策として、冬の間は月1万3000円を上限に『寒冷地手当』も新設しました。

【東京から去年転職した 26歳】
「寒い地域だなというところで、光熱費も上がってしまうのでありがたいなと」
【2023年入社 奨学金返還制度を利用 26歳】
「勉強に使ったり資格取得を目指してお金を使ったりっていうところに、自分のお金を使えるところが増えたのがすごく助かる」

現在、新潟本社の社員は半数が20代。
業績は順調で、社員に還元できる形にしたそうです。

【オーエムネットワーク コーポレート部(人事担当) 藤原教義さん】
「いろいろな制度を創設したことで、もっと新潟で安心して働きながら暮らしていける環境を作れれば」

給与面のほかにも、5日以上の連休取得を推奨する制度や、毎月3kgのコメを支給するなど、若手重視のさまざまなサポートで、企業の“魅力”を上げています。

【去年東京から中途入社 26歳】
「自分の成長速度を持てるかというのをポイントにしていまして…」
「IT以外のところから私は来ていますので、他の同世代と差がある中で、やはり成長速度っていうのは大事なのかなと」
【2023年入社 26歳】
「若手でも挑戦させてもらえるような会社を選びたいなと思っていた」
「仕事へのモチベーションが前よりも上がった。働くうえでのメンタル面も上がったかな」

社員の生活面での不安を解消することで、会社にとってもメリットが生まれる好循環。オフィスデザインも含め、若者が居心地よく働ける“環境”を求められる時代が来ています。