淡い期待の一方で「どうせ今度もダメだろうな」

日朝首脳会談(2002年)

また、日本に失望したというのは、24年の間に何度も日本の政治家が北朝鮮を訪問したにも関わらず、拉致被害者の誰1人として助け出してくれなかったことだ。

曽我ひとみさん
「『日本の政府の誰でもいい、私たち日本人が無理やり連れて来られてここで生きていることを知ってほしい。そして助けてほしい』と、ニュース番組で日本の政治家が来たことが流れるたび、淡い期待を抱いたものでした。その反面、『どうせ今度もダメだろうな』と寂しさを感じたのも事実です」

これだけ期待を裏切られ続けてしまうと、誰も信用できなくなってしまう。
唯一信用できるのは自分の家族だけだった。

しかし、時間は動いた。

今、こうしていられるのも、当時の政府関係者、関係機関の皆様の並々ならぬご尽力のおかげだと曽我さんは感謝している。

ただ、まだ帰国できずにいる拉致被害者の気持ちを考えるといらだちを覚えている。