マイナス20度から30度が何日も続く冬 過酷な生活

北朝鮮(1999年撮影)

北朝鮮の冬はとにかく寒い。
その寒さが痛いのだ。
寒さが肌に刺さるようだと表現した方が分かりやすいかもしれない。

曽我ひとみさん
「近年の東北、北海道の冬も異常気象の影響か氷点下の日が数日続いたりすることもありますが、氷点下20度から30度が何日も続く北朝鮮の比ではないでしょう。私も帰国後、満23年、今の生活が当たり前になっている現状で、北朝鮮の冬を再度経験しろと言われたら速攻でお断りします。それほど過酷なのです」

発電技術が未熟で、重油などの燃料が不足しており、しばしば電気が止まった。
そうなるともう何もできない。
お風呂も入れないため、どうにかお湯を沸かして体を拭くのだが、それも早くしないとあっという間に冷水になってしまう。
眠くても寒すぎて眠られない。
そんな時はそれぞれが着れるだけのセーターや防寒具を身につけ、靴下を何枚も重ねて履いて、1つに固まって寝た。

家電品などは一通り揃えることができ、一般住民から見れば多少裕福に見える程度ではあったと思う。
しかし肝心の電気が何度も止まり、いつ復旧するとも分からない。
下手をすると数日停止したままのこともある。
持っていても使えなければ置物と変わらない。
洗濯なども下手をすると雨水を溜めて、たらいで叩いて手洗いするなんてことも何度も経験した。