一部屋ずつの耐火構造 延焼しにくい日本の基準
南波キャスター:
香港のマンション火災では、建物同士の距離の近さもポイントになっています。

日本において、建物の距離の基準はどうなっているのでしょうか。
建築基準法に詳しい秋野卓生弁護士によると、マンション間の距離は、防火、日照、衛生など考慮して、都道府県の基準で審査(建築基準法第86条)しているということです。
また、元東京消防庁・麻布消防署長の坂口さんによると、耐火壁・耐火床など、1部屋1部屋が延焼しにくい構造になっているといいます。

元東京消防庁・麻布消防署長 坂口隆夫さん:
ビルなどの日本の耐火建築物は面積で防火区画をしたり、階段室は耐火構造で囲って防火扉を設置したりと、そういう安全性ができています。
マンションはそれにプラスして、1住戸ごとに燃えない構造になっているので、非常に安全性が高いと言えると思います。

「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
現地の消防活動に携わっている知人がいます。防護服のようなものを着て入っているそうですが、建物の中の温度が高くなっていて、下の階から上の階へ救援に入ろうとしても、近づきにくいという話を聞きました。
今回、香港のマンション火災の場合は、外側の足場に使われた素材が火の周りを早くしたというような現地の報道もあります。
2017年にはイギリス・ロンドンでも24階建てマンションの火災が発生し、72人が亡くなりました。その際も、外壁の被覆材に違法な物が使われていて、一気に燃え上がったということで、今回の火災と状況が似ています。














