「手術、そして再発予防へ」―長い道のりの始まり

雅子さんの抗がん剤治療は10コース行われ、回を追うことに少しずつガンが小さくなっていきました。

寺下聡さん
「(PET検査の画像をみても)明らかに小さくなっていますし、色の濃さも薄くなっています。インターネットとか書籍とかで簡単に抗がん剤は効かないとか、抗がん剤やめとけみたいな情報がいっぱい出てくるんですけれども、お薬も色々進歩していますし、抗がん剤は適切に使えば非常に効果が高いんです」

抗がん剤治療によって腫瘍が小さくなり、手術が可能になりました。雅子さんは「これも全くの初めての経験なので、怖くないと言ったら嘘でやっぱり怖いんですけれども、それ以上にやっとここまでたどり着けたんだという安堵感の方が大きかったんですね」と語ります。

手術は成功し、その後も再発予防のための抗がん剤治療が行われました。最終的には合計10回の抗がん剤治療を受け、その後も分子標的薬による維持療法が続きます。

寺下雅子さん
「10回抗がん剤を受けなきゃっていうのを最初に聞いた時、もう途方もない長さに感じたんですよね。回数と長さと。さすがに私ももうどうしたらいいのか分からなくなって、結構悩んだりとか、もう苦しんだりもあったんですけど。」

しかし、雅子さんは小さな一歩に集中することで乗り越えてきたと言います。

「子どもの時に読んだ本の中に、すぐにゴール、到達点を考えちゃいけないっていう一説が出てくるんですね。すぐ目の前のこと、1歩1歩、すぐそこにあることをやっていったら、いつの間にか終わっているよっていうそういう下りがありまして。何であっても、すぐ次の治療のことだけを考えて、1個1個やっていくしかないんだなっていうのを思いました。3回、4回、5回、10回目まで一気に考えずに次のことだけを目指して」