チームで行う初めての銃猟 結果は…

 日本海に面した兵庫県香美町。11月16日、鴨谷さんが初めて銃を使った猟に挑む日です。

 (兵庫県猟友会・上田剛平朝来支部長)
 「みなさんおはようございます。きょうはグループでの初出猟ということで、安全第一でやっていきたいと思います」

 同じ猟友会に所属する11人で、「巻き狩り」という方法で猟を行います。

 メンバーは銃を撃つ射手(しゃしゅ)と、シカを追い詰める勢子(せこ)の二手に分かれます。
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 勢子は犬と一緒にフンや植物を食べた痕跡などから、シカが潜む場所を見つけ、大声を出して射手が待ち伏せる場所へと追い詰めます。十分近づいたところで、射手が銃撃し、仕留めることができれば成功です。

 初陣の鴨谷さんは、待ち伏せをしてシカを撃つ射手を担当します。
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 (鴨葱農園・鴨谷康隆さん)
 「緊張しますね、めっちゃ。不安ですね」

 いよいよ山へ。けもの道をたどり奥へと進みます。

 (兵庫県猟友会・上田剛平朝来支部長)
 「たけのこ。めっちゃ小さいやつやけど。イノシシが(食べた痕跡)。まだ新しいね。おそらくゆうべちゃうかな」

 道中にはシカやイノシシの足跡がいたるところに。

 その後も険しい山道を登り、鴨谷さんはポイントに到着。シカを待ち伏せる態勢に入ります。

(メンバーからの無線)
「西側、竹やぶの奥の方、何頭も何頭も上がっていくのが見えます」

 ほかの場所で待ち伏せるメンバーから、鴨谷さんの方にシカが向かっているという情報、緊張が高まります。

 近くで銃声が響き、鴨谷さんも猟銃を構えたそのとき…
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 十数頭のシカの群れが走り抜けていきます。見つけてからわずか10秒ほど、引き金を引くのをためらっている間に射程圏外に去って行きました。

 その後もほかのポイントからは銃声が響きますが、鴨谷さんの近くにはシカは現れません。

 (メンバーからの無線)「待ち解除でお願いします」

 鴨谷さんは猟銃に装填していた弾を回収します。
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 (鴨葱農園・鴨谷康隆さん)
 「撃てなかったです。1頭目が見えてそれに気をとられて、後ろ全然見えなくて…」