知らず知らず…子どもたちが従っている「法則」とは?
「となえうた」の歌詞は、子どもたちによって即興的に繋がれていくものも多いことから、河瀬准教授は、歌詞ではなくて、リズムや拍で捉えた方が、より興味深い傾向が見えてくると話します。

同志社大学文化情報学部 河瀬彰宏 准教授
「「どれにしようかな」は基本の場合、偶数拍のフレーズと奇数拍のフレーズ+休み1拍のフレーズで構成されていることが分かります。例えば三三七拍子がそのケースです。その観点で各地域のフレーズを見ていると、非常に似ていることが分かります。子どもたちは即興で歌詞を作るときに好きな歌詞を当てはめていく。そこで地域差は出てくるんですけど、基本的には「4拍フレーズと3,5,7拍フレーズ+1拍休み」という規則にのっとっているということがよく分かりました」
例えば島根県松江市の「ぎっこんばっこんぎっこんばっこん鉄砲撃ってボンボンボン」の場合、拍で分けると「ぎっ/こん/ばっ/こん/(4拍)、ぎっ/こん/ばっ/こん/(4拍)、てっ/ぽう/うっ/て/(4拍)、ボン/ボン/ボン/*/(3拍+休み1拍)」となります。
もちろん例外はありますが、今回のケースの多くがこうしたパターンに分類でき、さらに山陰地方の東部には短いパターンが集中しているという特徴も見ることができました。
つまり、子どもたちは知らず知らずのうちに、こうした法則に従って「どちらにしようかな」を歌っていると考えられるというわけです。

「天の神様の言う通り…」、今後も時代や地域に沿った様々な歌詞が生まれていくのかもしれません。
皆さんの地域の「どちらにしようかな」は、どんな歌詞でしょうか?