「もっと早く容疑者は特定できていた」防犯カメラの“リレー捜査”とは?

井上キャスター:
「リレー捜査」とは一体どういうものなのでしょうか。

例えば、今回は赤坂で事件がありました。相当な量の防犯カメラがあるだろうと思います。それをしらみつぶしに捜査したとして、どのようにして、この数日間で容疑者の行方をたどっていくのでしょうか。

元兵庫県警 棚瀬誠 刑事部長:
リレー捜査は「樹木」で例えると想像しやすいと思います。幹があって、枝があって、葉っぱがある。それを道路になぞらえると、大きい幹線、細かい道、自宅となります。

手当たり次第に防犯カメラ映像を集めてくるわけではなく、ある程度の見当がついていれば、まずは幹から集めていく。その後、枝に行って、葉っぱに行く。

そういう意味では、今回の事件では大きい幹線が使われているので、赤坂~青山の間の防犯カメラを全て取り寄せたというわけではなく、その幹線を通り過ぎたかどうかという見極めは比較的早くできます。

井上キャスター:
映像を取り寄せるのでしょうか。

元兵庫県警 棚瀬誠 刑事部長:
今は、防犯カメラの向きも含めた設置場所がリスト化されているので、ある程度の見当がつけば、「この方向を向いている防犯カメラを集めてこよう」という動作になります。

逆に言えば、反対側の防犯カメラを集めてきても、捜査が無駄になる可能性があるので、一定の向きを決めながら集めてくる。その後、分析するという作業になります。

出水麻衣キャスター:
幹の部分に関しては、ほぼ死角がないと理解してもよいでしょうか。

元兵庫県警 棚瀬誠 刑事部長:
そうだと思います。今回の事件では6日間で逮捕できた。おそらく容疑者はもっと早く特定できていたと思います。

幹の部分で和光くらいまではいけていたのだと思います。その後、枝、葉っぱと突き止めていくのに一定の時間と、逮捕するまでの準備に時間がかかった結果が6日間だったのだと思います。

井上キャスター:
和光までは捜査が進んでいたとのことですが、これは1、2日でたどり着いている感覚でしょうか。

元兵庫県警 棚瀬誠 刑事部長:
私の感覚では約2日間で、和光くらいまでは行けていたのではないかと思います。

落合~練馬の間を自転車が通っていないとすると驚きますが、落合~練馬も自転車で行った。練馬からさらに奥に向かっているということになれば、この幹線道路上の防犯カメラの捜査は、もっといえば、1日でできていたかもしれません。

ただ県警もまたがるので、埼玉県警の協力を得ながら、警視庁の捜査1課が、相当人手を使って頑張っていることを否定するつもりは全くないです。