事故の起きた東京電力福島第一原発では、難しい廃炉作業が続いています。
こうした中、全国の高等専門学校の学生たちが「廃炉」をテーマにしたロボット製作の技術やアイデアを競うコンテスト「廃炉ロボコン」が開かれました。
12月10日、「廃炉ロボコン」の本番2時間前。
競技場に、福島高専チームの3人の姿がありました。

リーダーの塚田愛由希(あゆき)さんにとって、このステージに立つことは、夢でした。
塚田さん「何年も前に自分が憧れていたものに参加するとは思っていなかった」

今年8月の終わり。ロボコンの参加者が集まったサマースクール。
学生たちは、廃炉作業が続く福島第一原発を見学しました。

参加した高専生「廃炉作業は30年、40年かかると言われているので、より早められるようなロボットを作れたら、福島の人たちや被災した人たちに貢献できる」

この日、学生たちは実際の競技フィールドも自らの目で確かめました。
気になったのは、今年採用された高さおよそ10センチの障害物。

塚田さん「やっぱり段差の高さ、段差を乗り越えられるか」
参加した高専生「ただのタイヤだけだとダメ。キャタピラーを使ったり、ロボット全体を持ち上げる機構を作ったり、工夫しないといけない」

そして始まった、ロボット製作。

福島高専は、何度も何度も構造を変え、ロボットに向き合います。

塚田さん「正直やってみないとわからない」
機体を走行させるメインのクローラー以外に、上下に動くサブクローラーをつけて、段差を越える工夫をしました。
