日本各地の特産品を国が地域ブランドとして保護するGI=地理的表示制度に指定されている「新潟」の日本酒や「長野」のワインなどをいかしたビジネス戦略を考えるイベントが埼玉で開かれました。

GI=地理的表示制度は、産地ならではの原料や製法で作られた特産品を国が地域ブランドとして保護する制度です。GIに指定されると、産地名を独占して名乗ることができ、模倣品の排除につながります。

きょう、さいたまスーパーアリーナで開かれたのは、GIに指定されている「新潟」「長野」「信濃大町」などの日本酒やワインについて地域ブランドをいかした今後のビジネス戦略を考えるイベントです。

パネルディスカッションでは、日本酒スタイリストの島田律子さんが「風土や文化、人の哲学など、地域のストーリーを一緒に伝え、味に土地を感じさせることが大事」と語りました。

イベントでは、酒の作り手である杜氏や蔵元が訪れたおよそ300人の飲食業者や一般参加者に酒を振る舞いました。

参加者
「フルーティーなお酒もあってすごくおいしかったです。それぞれの地域の全然違うお酒を味わえた貴重な機会でした」

北安醸造 伊藤敬一郎 社長
「残念なことに、国内の日本酒の需要は毎年、右肩下がり。世界に向けて販売していかないと、なかなか将来が厳しい。今のうちから少しずつGIという制度を利用して、外に売っていきたい」

イベントを主催した関東信越国税局の中村稔局長は、GIについて「日本産酒類の海外への輸出を後押しすることが期待できる」としています。