先月下旬、息子を装う男からの電話で、80代の女性が810万円をだまし取られていたことが20日までにわかりました。犯人は「喫茶店で携帯電話、財布、契約書類等がなくなった」などとうそをつき、現金とキャッシュカードをだまし取りました。

富山県警小矢部警察署によりますと、富山県小矢部市に住む80代の女性の固定電話に、息子を装う男から電話があり「喫茶店でトイレに行っている間に、鞄に入れていた携帯電話、財布、契約書類等がなくなった」「富山中央警察署のコバヤシに届け出た」と話しました。

男は一度電話を切った後、今度は富山中央警察署のコバヤシを名乗る別の男から電話がかかってきました。

警察官のコバヤシは、80代女性の名前や生年月日などの個人情報を聞き出すと電話が切れます。すると再び息子を装う男から電話がありました。

息子を装う男は「手元にいくら金があるか」「自分のミスで上司に報告させてしまった。上司の母親が500万円を用意してくれた」などと言ってきました。

80代女性は、金融機関の窓口で出金するなどして現金220万円を用意、帰宅すると80代女性に再び息子を装う男から電話があり「上司の娘が自宅に取りに行ってくれる」「キャッシュカードとお金を渡してほしい」と言ってきました。

80代女性が自宅で待っていたところ、女が現れたため80代女性は、袋に入れた現金220万円とキャッシュカード3枚を手渡したということです。

後日、80代女性から息子本人に確認したところで、詐欺被害に気付きました。女に渡したキャッシュカードが使われ、80代女性の口座からは合計590万円が引き出されており、現金と合わせて総額810万円をだまし取られたことになります。

警察は「電話でお金の話が出たら一人で悩まず、一度電話を切り、家族や警察に相談してください」と注意を呼びかけています。また、「+」から始まる国際電話番号を悪用した特殊詐欺も急増しているため、このような表示の電話には出ない、かけ直さないよう注意を促しています。