明治31年から大正14年まで、現在の岩手県金ケ崎町六原には陸軍省軍馬補充部六原支部が置かれていました。
軍馬補充部では、陸軍が購入した馬を軍隊用に調教し、戦地に送り出しました。
その当時の資料を展示している施設を取材しました。

こちらは「軍馬の郷六原資料館」です。
明治44年に建てられた六原支部の官舎を改築して作られました。
国の有形文化財に指定されています。

玄関部分。

建物は明治の洋風木造建築です。

煉瓦積みの基礎。換気口グリルに「六」の文字があしらわれている。

基礎部分は煉瓦積みで作られており、床下の換気口には六原の「六」の文字がデザインされています。
洋風建築ですが、内部には畳敷きの和室があり、床の間もあります。

左が「上げ下げ窓」。中央にあるのが「床の間」。和洋折衷の構造が素敵です。

特徴的なのはこの「上げ下げ窓」です。

窓枠の縁の部分はなめらかな曲線が連続する「飾り枠」となっている。

連続した曲線で構成された「飾り枠」(モールディング)などもかなりおしゃれな造りになっています。

右が「かまど」、左が「むろ」。当時のまま保存されている。

当時の台所は現在、フローリングで覆われていますが、フローリングを外すと当時の「かまど」と「むろ」が顔を出します。「むろ」は今の冷蔵庫にあたります。
ここが生活の場であったことをしのばせます。