民意をつくる“くじ引き民主主義”

更別村 尾立要子村議
「デジタルは意思疎通や情報発信にものすごく便利な仕組みのはず。にもかかわらず、行政や政策作りの現場と住民の距離が空いていること、人々が「よくわからない」と明言される」

「無関心」な村民たちの「民意」を拾い上げるにはどうしたらいいのか…

尾立村議が着目したのは「くじ引き民主主義」でした。

政治学者の吉田徹氏です。尾立村議らが呼びかけて講演会を開催。村内外から20人ほどが集まりました。

同志社大学(比較政治学)吉田徹教授
「『民意』といっても、国や地方によっても、あるいは地域によっても全然ニーズが違う。決定の単位をなるべく下ろしたほうが効率的」

デジタルに「無関心」な村民へのアプローチに悩んでいた、役場の今野さん。吉田教授に「思い」をぶつけます。

更別村企画政策課今野雅裕参事
「スーパービレッジ構想を進めている真っ只中の人間です。「無関心」「わからない」層の意見は重要だと思うが、そういった声を拾うっていうことは、どのように重要と認識しているか」

同志社大学(比較政治学)吉田徹教授
「民意って作られるもの。その「作る」というプロセスが「くじ引き民主主義」の中に組み込まれている。それに至るまでのプロセスをみんなで作り上げていくのが「熟議」というものの考え方」

講演会をしめくくったのは、1人の村民でした。

参加者(村民)
「(私は)『スーパービレッジ構想』がどういうものかわからない1人だった。近所の人に20人くらい聞いたが誰もわかっている人がいなかった。私、吉田先生より30歳上なんです。それでもお迎えが来るまで意識を高く持って生きていきたいと思いました」

今野さんも、この講演会でなにかヒントをつかんだようです。

更別村企画政策課 今野雅裕参事
「進めなかったらこういうハレーションは起きない。それがやっぱり民意を作っていくことに繋がるんですよきっと。いいほうに進めるためにやっぱり「熟議」ですよね」