三崎のマグロなど、関東屈指の観光地として知られている神奈川県の三浦市。実は、コロナ禍や建物の老朽化で宿泊施設の閉館が相次ぎました。

また、東京から車でおよそ1時間半という近さゆえに、日帰り観光客の割合が増えていて、県が行ったある調査では、去年、三浦半島を訪れた観光客が宿泊した割合はわずか1割ほど。

宿泊者は日帰り観光客の4倍以上も消費単価が高いというデータもあり、観光客の滞在時間を増やそうと三浦半島では、地域全体を1つのホテルに見立てたある取り組みが始まっています。

持続可能なまちづくりとは一体どんな取り組みなのか、取材しました。

築150年の商店をホテルに 港町・三浦が仕掛ける新戦略 

東京から車で約1時間半の神奈川県三浦市。
1990年代には、約5万4000人いた人口は、現在は約3万8000人と年々減少しています。

一方で、休日の街には多くの観光客が訪れています。名物の“三崎のマグロ”が、お目当てです。しかし…

都内・横浜からの観光客
「日帰りを予定してます。この後鎌倉に行こうかなと思ってます」

都内からの観光客
「日帰りで来られちゃうので」
「気軽に今日は来たって感じで」

日帰りの観光客ばかり。夕方になると、昼の賑わいが噓のように静まり返ります。

かつて、三崎漁港を中心に港町として栄えた三浦市。宿泊する観光地としても人気でした。

しかし、コロナ禍や老朽化を理由に宿泊施設が次々と閉館。3割近くいた宿泊客は約1割に。

そんな中、新たに始まった取り組みが、三浦の街をひとつのホテルとする「地域まるごとホテル@三浦半島」です。
地元企業が中心となり、県の支援を受けて、2025年から始まりました。そのホテルが、特徴的なのです。

ミウラトラスト 中川康太さん
「葉山商店という、ロープや網とか漁で使う道具が売られていた建物」

築約150年の建物がホテルなのです。

山形純菜キャスター
「失礼します。素敵。木の香りが感じられます。歴史を感じますね、ちょっと穴が開いていたり。お住まいだったんですもんね」

空き家だった建物をリノベーションして客室にしています。

ミウラトラスト 中川康太さん
「ファンよりさらに上を見ると、昔の滑車が…」

山形キャスター
「本当だ!あれ滑車なんですね」

こうしたリノベーションホテルを、三崎港地域で7か所展開しています。

宿泊費は、1泊当たり素泊まりで1人1万5000円~(※6名で宿泊の場合)と、少しお高めです。あえて、“食事なし”なのが「ポイント」なのだそうです。