反対車線を走行して対向車に正面衝突し、対向車の女性を死亡させたとして罪に問われていた男に、熊本地方裁判所は執行猶予付きの判決を言い渡しました。

判決を受けたのは、熊本県宇城市不知火町の増永幸輝被告(23)です。

増永被告は去年10月、南阿蘇村立野を通る片側1車線の国道57号で、反対車線を走行して対向車に正面衝突し、対向車を運転していた森光惠さん(当時72)を死亡させたとして、過失運転致死の罪に問われていました。

事故後の現場

これまでの裁判で、増永被告は「現場が片側2車線だと思い込み、反対車線を走行した」と主張していました。

11月18日の判決で、熊本地裁の賀嶋敦裁判官は「事故の前に複数の車とすれ違うなど、片側1車線と認識するのが困難だったとは言えない」としながらも「過失が特に重い部類のものとは評価できない」として、検察の禁固2年の求刑に対して、禁固2年・執行猶予4年の判決を言い渡しました。

前方が大きく破損した被告の車

厳罰を求めていた森さんの遺族は、検察に控訴するよう申し入れる方針です。

森光惠さんの娘 文香さん(44)「加害者が実刑になることだけを望んで頑張ってきたので、とても悔しくて、何よりも母が一番無念なんじゃないかと」