岐阜県の西部と三重県の東部を結ぶ「養老鉄道」の駅の係員が無免許で列車を運転した問題で、国土交通省が運転業務を統括する社員を解任する手続きに入りました。

養老鉄道をめぐっては、駅の係員の20代の男性社員が今年6月と7月の2度にわたり、客を乗せた列車を無免許で運転したことが明らかになっています。

養老鉄道は社内規定で運転室に入れる人を運転士や車掌などに制限していましたが、国土交通省が保安監査を行ったところ、男性社員は資格がないにもかかわらず、会社の規定を破り、運転した2度以外にも複数回にわたり運転室に入っていたことがわかったということです。

こうしたことから、国土交通省は鉄道事業法に基づいて運転業務を統括する「運転管理者」を解任するよう命じる「解任命令」の手続きに入りました。今月28日に会社の主張を聞く「聴聞」を行ったうえで、正式に命令を出すか判断するということです。

鉄道事業法に基づく解任命令は、「運転管理者などが引き続きその職務を行うことが輸送の安全の確保に著しく支障を及ぼすおそれがあると認めるとき」に国土交通大臣が出すことができるとされています。

これまでに解任命令が出されたのは2014年の1件のみで、検査データの改ざんなどが明らかになったJR北海道の当時の常務の解任を命じていました。