平和公園にある原爆供養塔の遺骨について広島市は、身元を特定するDNA型鑑定を毛髪を使って実施します。鑑定を行うのは戦後、初めてとなります。

原爆供養塔には、約7万人分の遺骨が安置されていてそのうち、812人分は、名前が分かりながら引き取り手が見つかっていません。

今回、鑑定するのは、納骨名簿に「鍛治山ミチ子」さんと記された遺骨です。5月に遺族とみられる男性が広島市に要望していました。

一般的に火葬された遺骨はDNA型鑑定が難しいと言われていて、市はこれまで遺族の要望があっても鑑定をしていませんでした。

今回は鍛治山さんの骨つぼの中に、遺骨と一緒に遺髪が残されていて、髪の毛での鑑定なら可能性があるため、実施を決めました。原爆供養塔の遺骨でのDNA型鑑定の実施は、戦後初となります。

鑑定ができた場合の費用は10万円程度で、市が負担することにしていて、広島市では、できるだけ早く実施したいということです。

鍛治山さんのほかにも骨つぼの中に遺髪が残っている人は10人程度いるとみられ、今回鑑定ができた場合には、他の遺族からの要望があれば遺髪での鑑定を行うということです。