「まだやれる」 支援を断った真面目さが、最悪の引き金に

長女:
「父は『自分が介護しなければならない』と思い込んで、すべてを背負っていました。もともと几帳面な性格で、1日の計画をメモして実行するような人間。長男気質で弟妹にも頼れない。介護のために仕事を辞めたこともあってか、『自分が家族を支えなければ』と抱え過ぎていたと思う」

事件が起こる4日前、男は地域包括支援センターの職員から、妻を介護施設に入所させることを提案されていた。しかし男は、その提案を断っていた。その提案を長女が知ったのは、事件後だった。

被告の男:
「妻の介護を外部に委託することも勧められましたが、まだやれるという自信がありました。今まで自分にふりかかった問題は自分で解決してきた…。まずは自分で何とかしなければいけないと思い込んでいました」