衆議院山口2区選出の前防衛大臣の岸信夫さんが、次の衆院選に出馬せず引退する意向をきのう、関係者に伝えました。
それを受けた地元や県内の政界はさまざまな反応を見せています。

11日午後、岩国市で開かれた後援会の会合に姿を見せた岸さん。

関係者によると次の衆院選には出馬せず引退する意向を伝えたということです。

岸信夫さんは、故・安倍晋三元総理の実の弟で2004年に参議院山口選挙区で初当選。
2012年に衆議院にくら替えしました。
2020年9月、防衛大臣に就任し今年8月からは国家安全保障担当の総理大臣補佐官を務めています。
一方で、体調を心配する声もあがっていました。

衆議院山口2区選出・岸信夫前防衛大臣

「私も60過ぎましたんでですね次ぎの世代を考えていかなければいけないんですけど。任期は去年から4年間ということですから、しっかり務めていきたい
後継には長男の信千世さん(31)を推す方針です。

岸さんの地元、岩国市はアメリカ軍岩国基地を抱えていて、外務副大臣や防衛大臣を勤めた岸さんは外交や基地問題などで国とのパイプ役となっています。
岩国市の福田良彦市長は、「体調が芳しくないと感じていた」としながら、任期いっぱい指導を仰ぎたいとしました。

福田良彦岩国市長

「政治家本人の進退の話であるので非常にご本人が熟慮された上での発言だったと受け止めております。基地問題等、非常に地元選出代議士として熟知して頂いたうえでお力添えを賜ってきております。非常にわれわれとしても心強い存在」

市議会の桑原敏幸議長は沖縄の負担軽減や新しい基地関連の交付金などについても相談して進めてきたと振り返りました。

岩国市議会 桑原敏幸議長

「たまげたというのが第1印象なんですけどね」「基地を抱えてる日本で1番住みよい岩国を作るためにはねやっぱり衆議院、岸さんに頼ってましたんでね」

任期の間は、地元のために頑張って欲しいと話しました。

自民党県連の友田有幹事長は「報告を受けていないのでコメントは差し控える。」としたうえで「次期総選挙での区割り改定も控えていることから、考えなどを直接確認した上で、必要な対応をしていかなければならない」とコメントしています。

公明党県本部の先城憲尚代表は「自らの体調を憂慮され、早い段階で若い世代への流れを作られたことを評価したい」と述べました。

一方、立憲民主党県連の酒本哲也幹事長は「粛々と受け止めて次の選挙に向けて準備を進めたい」としています。