戦後80年に合わせ、戦争体験者のインタビューと写真をまとめた書籍が出版され、仙台市教育委員会に寄贈されました。

今後、仙台市内の中学校に届けられます。

寄贈された書籍「蒼空の月(そうくうのつき)」は、仙台を拠点に活動するノンフィクション写真家宍戸清孝さんとライターの菅井理恵さんによる戦争体験者へのインタビューをもとに構成されています。

50人以上への取材を通して知られざる戦争体験が明らかにされています。

書籍にも登場する蔵王町矢附(やづき)地区に人知れずたたずむ石碑があります。

「新憲法発布記念碑」は終戦翌年、日本国憲法の公布を記念し住民の有志が建てたものです。

戦後間もない頃の農村地域。

生活が厳しい中でも地域のみんながお金を出し合ったといいます。

我妻正美さん
「戦争が終わって、いろんな意味で解放感でしょうね。誰からも監視されずに自分が働けば働くほど豊かになれる時代に入った」

書籍には、この石碑にまつわるある住民の戦争体験もつづられています。

著者・菅井理恵さん
「取材を通し、戦争というものが、日常生活と地続きのものであるということを知っていったので、そういうことを中学生にも感じてほしい」

寄贈されたのは65冊で、仙台市内全ての公立中学校に1冊ずつ届けられる予定です。